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不断の努力と普段の努力

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(読書記録) やり直し教養講座 英文法、ネイティブが教えるとこうなります

読書記録 英語

 

やり直し教養講座 英文法、ネイティブが教えるとこうなります (NHK出版新書 346)
 

 

前提: 中学程度の英文法の知識は持っていること

対象は①中学レベルの知識は習得している大人の学習者

②高1で一通り高校の学習英文法を学んだ生徒たちでしょうか。

 

学習者が躓きやすいポイント(e.g., 冠詞,助動詞)をかいつまんで説明してくれています。あーここ難しいよね!と思いながら読んでいましたので,教える側としても,生徒さんがこういうところで躓きやすいのかなと目星をつける参考になるのではないでしょうか。

 

話を変えて,タイトルの『やり直し . . . ネイティブが教えると』...ということですが,読了の感想としては高校の先生はこの本の8, 9割は教えているんじゃないかなと思いました。換言すると,この本の内容は高校で用いる参考書に8, 9割は載っているよということです。しかしながら,その残りの1, 2割を感覚的にネイティブはこう感じると説明してくれているのは面白かったです。一つ例を挙げます。

 

『Shouldのイメージ』で,

I should find a job.

は「仕事をみつけなきゃなあ。わかってるんだけど・・・・・・」という,歯切れの悪い言い方である *1

 

ただし,一つ突っ込みを入れたいところがありました。

疑問文の中での,some , any の取り扱いについて。

A Do you have some money?

B Do you have any money?という文に関して

 

someは「あること(肯定的な内容)」を前提にしている表現,anyは「ないこと(否定的な内容)」を前提にしている表現,と考えてください。

 

とありますが,確かにその場合もあるけどそれだけじゃなくて...って言いたくなります。このように二項対立のものとしてこれが公式だ!みたいな形で書かれていては,誤解を招くのではないかと思いました*2 。ただし,それを書き始めたら一種の文法書が出来上がっちゃうよっていう話でもありますが。

 

あと,この本はマーク・ピーターセン本と重なる部分がありますが

日本人の英語 (岩波新書)

日本人の英語 (岩波新書)

 

この『やり直し』本は日本人の方も共著者として名を連ねており,日本の学習英文法のコンテクストをよく踏まえた上で巧く構成しているかなとか思いました。

 

いずれにしても読み物としては充分良本だと思います。Kindleだと300円で買えちゃいますよ!

*1:kindle版で読みましたので,頁表記できません。となると学術本とか困るよなって思った次第。

*2:Do you have any ~ ?みたいな文がいつも「ないこと」を前提にしているわけではないでしょうに。